投資用物件の契約件数では国内トップレベルのランドネット。中古区分マンション投資に関するセミナーを、平日夜間や週末午後などに東京池袋の本社、および大阪梅田の大阪支店で定期的に開催しています。
設立は1999年。投資用ワンルームマンション取引や契約件数に自身のある総合不動産商社です。従来は不動産販売会社を相手に、B to Bの卸業者的な色合いを持っていましたが、近年は個人向けの直接販売にも注力。個人顧客からの売却相談にも積極的に対応しています。
2019年5月には本社を池袋のオフィスビル「ダイヤゲート池袋」に移転。スタイリッシュなオフィスがセミナー会場です。
「失敗しない!あなたのための資産づくり ~区分マンション投資が初心者におすすめの理由教えます~」などのテーマで、自社営業社員が講師になり、各種セミナーを開催。初心者向けセミナーが中心です。テーマによっては、不動産鑑定士とのW講師というプログラムもあります。
会場は東京池袋南口の東京本社、もしくは大阪梅田の大阪支店。木曜や金曜などの週末に近い平日の夜間か、週末の午後の1時間半程度、実質的には40分程度のセミナーとその後の個別相談会で組まれています。
[ざっくり言うと…]
会場は池袋南口のランドネット本社(ダイヤゲート池袋7階)
西武池袋線池袋駅西武南口
JR池袋駅南改札
1階ロビー
賃貸管理案内パンフレットと手提げ袋。ペットボトルも1本付きます。プレゼンの配布資料はありません。
「ビギナー必見!ここでしか聞けない過去事例から学ぶ『区分マンション投資』成功セミナー」というタイトルですが、不動産投資の内容は全体で40分ほどのプレゼンの中で後半20分ほど。前半は、現在の預金金利やアメリカ国民の資産運用の状況等を引き合いに出し、資産運用の必要性を語る内容でした。
というのも講師の染谷重幸氏が、同社の販売部部長ではあるものの、もともとは為替トレーダーであり、株式投資や外国為替にも詳しいから。そのため、株式やFX、投資信託、不動産投資を同列に見て、総合的に語られています。
「不動産会社のマネーセミナーは、年金不安をあおり、家賃収入で私的年金を作ることを勧めるだけ」という批判が飛び出したり、「世界的な飲料メーカーの株主還元率は80%と圧倒的に高い。安定的に高い配当収入が期待できる会社は意外と多い」という話も出てきて、確かに“ここでしか聞けない”内容は満載です。
このような流れから、染谷氏が「資産運用の王道」と語るのは、「長期投資/積立投資/国際分散投資」の3点になります。
後半は不動産投資の話に移りますが、不動産は私的年金にならない理由を、不動産運用の明と暗の部分から解説。また中古ワンルームマンション投資を全額ローン払いの場合と現金購入の場合でシミュレーションし、有効な投資の在り方も紹介します。そしてローンの繰り上げ返済や、現金購入時からの下落率を考えての売却など、物件をずっと持ち続けるのではなく、どう動かしていくかも言及。「大事なのは、始め方ではなくて終わり方」「不動産戦略は出口戦略にあり」とまとめます。
物件選択に関しては、「資産価値ファースト」で。不動産投資をするのなら、築年数やそれまでの管理等、物件状況をきちんと見極めたうえで、「プレミアム/バリュー/クリティカル」の3点から資産価値を判断することを解説。最近のトレンドなども紹介されました。
第一部として約40分のセミナーがあり、第二部は個別相談会になります。個別相談会は原則、全員で、参考のため勤務先や年収等に関するアンケートに回答します。個別相談会では、ランドネットの営業担当者が横に座る形で進められます。
個別相談会の担当者も染谷氏同様に「不動産ありき」というスタンスではなく、株式やFXなど金融商品全般の知識や見地をお持ちです。そのため、自分の状況が不動産投資に向くのか向かないのか、という根本的な話もできますし、具体的な相談も対応可能です。
なお、「初めてセミナーに参加した」「年収が500万円以上」という条件に合う方には、セミナー参加特典として2,000円分のクオカードがプレゼントされます。
講師の染谷重幸氏は、2年前にランドネットに入社。現在は販売部の部長を務めていますが、入社前までは為替トレーダーやファイナンシャルプランナーなどを経験。不動産投資に関しても、会社が売りたい物件を会社が決めた価格で売っていては、お客様の成功には繋がらない。それよりも、「自分で買いたい物件を買いたい価格で紹介すれば、お客様はうまくいくし、自分のファンになってもらえる」と、投資会社を起業していました。
しかし、不動産投資に注目が集まる今、その社会性を高めたいという思いにかられ、自分の信念を通せることを条件にランドネットに入社。正しい知識と信念を持ち、お客様一人ひとりに合わせてリスクやメリットを可視化し、よりよい不動産投資をメジャーにしたい、という強い思いを持つ方です。
不動産投資の本題にすぐ入るのではなく、各国の預金状況や資産運用のデータ、常識を覆すようなちょっとした問いかけなど、資産運用全体を俯瞰するようなアプローチは意表をつかれます。金融商品全般の深い知識と経験を持つ染谷氏から見ると、不動産投資だけでなく株式などについても正しい知識や理解が必要、一方的に悪者扱いするのではなくもっと総合的に知ってほしい、という強い思いがあるのだと感じました。
ランドネットの本社があるダイヤゲート池袋は、池袋駅東口から南に歩いた場所にあり、西武グループの本社も入る大型の最新ビル。ランドネットは当ビルの7階に本社を構えています。
1階のロビーにはセキュリティゲートがありますが、週末開催のこの日は解除状態。エレベーターで7階まで上がれます。同社のエントランスホールで受付を済ませると、会場の会議室まで案内されます。セミナーや商談のために大小の会議室がありますが、この日の会場は長テーブルをはさんで10人程度が集まれる会議室。回りに遮るものがなく眺めもよい明るい会議室でした。
ダイヤゲート池袋外観
私を含め2名(男性1名、女性1名)が参加。個人との直接販売に関わるようになってから日が浅いためか、「明日のセミナーも予約は3名くらい」と染谷氏は自嘲気味に話されていました。しかしその分、資産運用の必要性を熱く語る染谷氏との距離も近く、「世界的な飲料メーカーの株主還元率って、どのくらいだと思いますか?」など、参加者との双方向のやり取りもあり。
プレゼン後に個別相談会を担当する営業社員も一緒に参加していますが、内輪的なノリも挟まれ、堅苦しさのない家庭的な雰囲気も感じました。
新築・中古といくつかの不動産投資セミナーに参加経験のある方におススメできるセミナーです。あるいは今、株式など他の金融商品に取り組んでいて、「不動産投資ってどんなものだろう」と思っている方にもおススメします。
他の資産運用を行っている方なら、一人の金融のプロとして染谷氏をとらえることができ、共感できたり別の見方をしたり、いろいろな刺激を受けられると思います。不動産投資セミナーに参加経験のある方も、染谷氏が批判する他社の状況など思い当たるフシがあったり、別のセミナーに参加する時の参考になったりするのではないでしょうか。
また貸し会議室を会場として利用するセミナーも多いなか、東京開催は池袋の本社での開催。しかも2019年に竣工したばかりの最新ビルです。新しいビルやオフィス見学という楽しみもプラスされます。
「ビギナー必見!」とタイトルにはありますが、不動産に関するプレゼンは全体の半分程度で、不動産投資のスキームやリスクはある程度理解している前提でプレゼンが進みます。そのため、不動産投資をゼロから学ぼうという方だと、やっと不動産投資の話になったと思ったら、中身がザックリ過ぎる、という印象を持つかもしれません。
ただ、第二部の個別相談会も基本的には全員参加なので、いろいろな疑問点はそこでぶつけることができるでしょう。一部のプレゼンはあくまでも二部のためのショーケースと見れば、他社のセミナーとはずいぶん毛色の違うユニークなセミナーに参加できる点で面白いと思います。
事前申し込み以外に、こちらから行うことはありません。