戸建て投資は新築住宅を建てたり、中古住宅を購入したりして、一戸建てを賃貸物件として運用していく不動産投資です。このページでは、戸建て投資のメリットやデメリット、マンション投資との違いなどについて詳しく解説しています。
戸建て投資は、文字通り一戸建ての住宅を賃貸物件として購入し、運用していく不動産投資です。
戸建て投資には、新築住宅を購入して賃貸物件として活用する「新築戸建て投資」と、中古住宅を購入して運用する「中古戸建て投資」の、大きく2種類が存在します。
戸建て投資は、一棟買いのマンション投資と同様に物件全体を購入します。ただし、マンション投資と違って、戸建て投資は基本的に単一の入居者と契約することになるでしょう。その点でいえば、戸建て投資は区分マンション投資と同じようにイメージできます。
そのため、戸建て投資は一棟買いのマンション投資と区分マンション投資を合わせたような不動産投資ともいえるでしょう。
新築住宅で戸建て投資を始めようとすれば、高額な費用が発生します。しかし中古住宅を購入する場合、数百万円程度で物件を購入できる可能性もあるでしょう。また、あえて安い中古物件を購入して、リフォームやリノベーションで価値を高めて賃貸へ活用するという選択肢もあります。
ただし、基本的に戸建て住宅の価値は築年数の増加に反比例する形で下がっていくため、あまりにも安すぎる戸建て住宅については想定以上に老朽化が進んでいる可能性もあります。
初期コストを抑えやすい中古戸建て投資は、不動産投資の初心者でも始めやすい事業ですが、一方で正確な状況把握には専門的な経験や知識を要することも事実です。
一戸建ての住宅に住みたいというニーズは全国的にあり、特に家族の多い世帯にとっては部屋数を増やしやすい戸建てで暮らしたいと考えることもあるでしょう。マンションでは隣室との騒音問題などに注意を払う必要があるため、住宅トラブルを避けるために戸建てへ住みたいと考える人もいます。
また、一般的にファミリー向けの不動産である戸建て住宅では、賃貸契約も長期契約を期待できるため、家賃収入を安定させやすいといった点はメリットです。
不動産投資では、家賃収入によって収益を得るインカムゲインと、不動産を売却して現金化することで得られるキャピタルゲインの、2種類の収益が考えられます。
マンション投資の場合、経済情勢や地域のニーズ、周辺エリアの開発状況などによって物件の価値が変動し、売却時に思ったほどのキャピタルゲインを得られないこともあります。
戸建て投資においても当然ながら社会の変化の影響を受けますが、物件だけでなく土地の価値も含めた売却益を考えられるため、ある程度まで安定した価格での売却を目指せることは出口戦略として重要です。
戸建て投資の場合、修繕積立金や管理組合費といった費用が基本的に必要ありません。そのため、家賃収入に対して必要経費を抑えやすく、利回りを高めやすいといったことがメリットとして挙げられます。
また、管理すべき範囲がマンションほど大きくないため、定期点検やメンテナンスもしやすいことはメリットです。
部屋数が一定以上ある戸建てであれば、シェアハウスとして複数の入居者を探すこともできます。この場合、小規模なマンション投資のように考えることが可能です。
戸建て投資でシェアハウス経営をすることは、単一の世帯へ住宅を貸すよりも注意すべきポイントはありますが、新しい事業へチャレンジしたい人にとっては、意欲的なアイデアを反映させやすいという魅力もあります。
シェアハウス経営のようなケースを除いて、戸建て投資は基本的に入居者が見つからなければ収益はゼロです。対して、固定資産税や保険料、ローン返済といったランニングコストは発生し続けるため、空き家期間がそのままマイナスの拡大へ直結します。
特に、長く住んでくれた家族が引っ越してしまった後では、築年数が多くなって劣化も進んだ物件が残ることになり、次の契約者を見つけるまでに時間がかかったり、家賃を下げないといけなかったりといったことも想定されます。
戸建て住宅の状態が賃貸物件としての魅力に乏しい場合、リフォームやリノベーションによって住宅の価値を取り戻さなければなりません。しかし、住宅の状態や周辺環境によっては工事が難しくなったり、作業カ所が増えたりして費用が高額になることもあるでしょう。
リフォームによって物件の価値を取り戻すことは、ある意味で物件を再取得するということでもあり、初期費用と合わせてコスト計算をする必要があります。
戸建て住宅を賃貸物件として利用する場合、暮らしている家族に問題があれば、家賃滞納や立ち退き問題などへ発展するリスクも高まります。また、キャッシュフローが破綻して物件を売却したいと考えた際、借主が素直に同意してくれない可能性もあるでしょう。
戸建て投資において、借地借家法は絶対的に無視できない法律であり、それを無視して借主を家から追い出すことはできません。
戸建て住宅を購入する場合、土地と建物の全てを購入する場合と、土地は他人名義のまま物件だけを購入する場合があります。
土地代がかからない分、初期コストを抑えやすい反面、土地を所有できないことで生じる問題やデメリットもあります。
そのため、借地権付き物件を検討する際は慎重かつ十分に投資プランを考えることが必要です。
特に中古の戸建ての場合、どのような基礎工事がされているかや、前オーナーの管理状況に不明点が残っていることもあるでしょう。
それらのリスクは、最初はトラブルに発展していなくても築年数が増すごとに表面化する恐れもあり、想定外のコストが発生した時に焦らなくて済むよう、余裕のある投資計画が大切です。
ご近所トラブルはマンション投資でも戸建て投資でも重要なリスクであり、特に長期的な生活が想定される戸建て投資では、事前に周囲の状況も細かく確認しておかなければなりません。
戸建て住宅の成功率を高めるには、物件選びの段階から地域のニーズを考慮して相談に乗ってくれる専門家の存在が重要です。
気になる不動産投資会社を比較検討する上で、それぞれの会社が開催しているセミナーや説明会へ参加して、担当者の印象を自分なりに判断することもまた、情報収集の方法として賢明といえるでしょう。