このページでは、中古一棟マンション投資のメリットやデメリット、中古一棟マンション投資の成功を目指す上で注意すべきポイントなどをまとめて解説しています。適切な不動産投資でリスク管理を行っていけるよう、ぜひ参考にしてください。
中古一棟マンション投資とは、文字通り中古の一棟マンションを購入して行う不動産投資です。一部屋だけを購入して行う区分マンション投資と違って、一棟マンション投資ではマンション全体が収益物件となるため、例えば1室が空室となっても、他の部屋に入居者がいれば家賃収入をカバーすることができます。
反面、初期投資に必要な金額が大きくなる上、管理戸数や規模が増大するためランニングコストも大きくなるといった点にも注意しなければなりません。
中古一棟マンション投資は区分マンション投資と違って土地や建物をトータルで取得します。土地があるので金融機関からの融資を受けやすくなり、初期投資に必要な金額をローンで集めやすいといった点がメリットです。
ただし、ローン審査に通りやすくなるからといって、安易に高額なローンを申し込むことはキャッシュフローを破綻させるリスクへつながるため注意してください。
中古一棟マンション投資の場合、購入費用や管理費の総額は当然ながら区分マンション投資よりも大きくなります。しかし、各部屋でコストを割った場合、それぞれのコストは区分マンション投資の場合よりもお得になることがポイントです。
簡単にいえば、まとめ買いをすることで商品が割引になるようなものです。
コストが割り引かれるため、結果的に投資の利回りも区分マンション投資より高くなると期待できます。
物件の取得費が大きくなるので、減価償却などの金額も大きくなります。そのため中古一棟マンション投資は節税対策として有効です。
また、マンションのオーナーが死亡して相続人がマンションを相続することになった場合、建物部分については固定資産税評価額をもとにして相続税が計算されます。固定資産税評価額は建築費のおよそ50~60%程度になることが一般的であり、現金でそのまま財産として遺しておくよりも、一棟マンションを購入したり建築したりして現物資産化しておく方が相続税を節税できます。
区分マンション投資の場合、各物件オーナーの多数決によって大規模修繕のタイミングが決まります。しかし、一棟マンション投資の場合、自分がその建物のオーナーとなるため、大規模修繕のタイミングも自由に決められることがポイントです。
また、リフォームやリノベーションによって物件価値を高めることもできます。
同じマンションで同じ間取りにもかかわらず、オーナーが違えば設定家賃が変わってしまい、入居希望者を取り合うといったケースも想定されます。
中古一棟マンション投資では全ての部屋の家賃をオーナーが設定できるので、同一マンション内で価格競争が起きません。
区分マンション投資よりも一棟マンション投資は物件の規模が大きくなるため、必然的に物件取得へかかる初期投資の金額も増大します。
初期投資額が大きくなれば毎月の返済金の額も高まり、金利の影響も大きくなるため、区分マンション投資のリスク管理や投資プランとは異なる、中古一棟マンション投資ならではのリスク管理などを考える必要があります。
中古一棟マンション投資はオーナーとして管理する物件の規模が大きくなるため、維持管理費も区分マンション投資と比較して増大する点がデメリットです。また、区分マンション投資の場合は管理する必要がなかった共有部分についても、一棟マンション投資のオーナーとして管理しなければならず、維持管理費や修繕費といったコストが大きくなります。
その他、例えば不動産管理会社などへ物件管理を依頼する場合、管理する対象や範囲が拡大されることで手数料といった費用が大きくなる可能性もあるでしょう。
一棟マンション投資は初期費用や維持管理費が全体的に高くなるので、どうしても不動産投資として希望する人が限定されることが問題です。
もしも中古一棟マンション投資を始めたとして、途中で事業性が悪化して投資を止めたいと思った場合、マンションの購入希望者が見つからなければスムーズに現金化することは困難です。
そのため、流動性の低さは出口戦略を考える上でリスクやデメリットとなります。
中古一棟マンション投資であれ中古区分マンション投資であれ、不動産投資において絶対に注意しなければならない点が空室リスクです。
中古一棟マンション投資の場合、十分な入居者を確保できれば、空室が1つや2つ発生してもコストをペイできる可能性があります。
しかし、どれほど魅力的な物件を所有できたとしても、入居者のニーズや地域の市場にマッチしていなければ入居希望者が現れず、十分な家賃収入を得ることはできません。
家賃収入が得られなくても毎月のローン返済は行わなければならず、中古一棟マンション投資のように返済額が大きくなる物件ほど投資のリスク管理が重要になります。
家賃収入や共益費といった収入に対して、一棟マンションの維持管理には毎月のローン返済の他にも、物件の修繕費や管理手数料、保険料など様々な費用がかかります。
そのため家賃収入による収益と、事業を継続する上で欠かせないランニングコストを適切に計算して、キャッシュフローをしっかりと考えることが大切です。
なお、キャッシュフローのリスクを検討する際には、入居者が変わるタイミングでの家賃変更や金利変動にも注意してください。
例えば地震や火災でマンションにダメージが生じた場合、不動産投資事業を継続できなくなる上、物件の修繕や解体除去といった費用もオーナーが負担しなければなりません。また、中古一棟マンション投資を始めようと物件を探したとして、もしも構造上の欠陥や経年劣化を見逃した場合、後々に大きな問題へ発展してしまう可能性があります。
また、周辺環境が変わることで賃貸物件へのニーズが変わって、想定していたほど入居者が集まらないリスクも要注意です。
中古一棟マンション投資は適切に運用することで、区分マンション投資よりも空室リスクをカバーしやすくなる反面、管理する規模や範囲が大きくなるため全体的なリスクが増大しがちといった問題もあります。
そのため、中古一棟マンション投資を成功させたいと思えば、必ず中古一棟マンション投資に応じた知識や情報の収集に努めなければなりません。
ネットや専門書籍といった媒体だけでなく、専門家や不動産会社が主催するセミナーへ参加して、最新の情報へアプローチすることも大切です。